和歌山県の北部「紀の川市」に位置する紀之川製帽では、年間45万個以上の帽子が製造されています。
果樹栽培が盛んなこの街で、なぜ紀之川製帽は帽子製造業での地位を築いてこれたのでしょうか?
たくさんのメーカーから紀之川製帽が名指しで選ばれる秘密を紐解きます。
創業当時から蓄積されたニットへの造詣。時代の流れに合わせた最先端の技術や機械の導入により、紀之川製帽はニットに特化した帽子では品質・シェア共に、日本トップクラスの製造量を誇ります。企画から製造までを一連のフローを担える紀之川製帽だからこそ、お客様には企画の段階から一任していただくことも珍しくありません。
例えば、頭のサイズにピッタリと調整できる「サイズ調整スベリ」。実は、これ一つ帽子につけるだけでも膨大な手間と時間が掛かるのです。しかし、これこそが紀之川製帽のアドバンテージ。帽子を被る人が本当に満足する商品を開発するために、細かい用途まで配慮することで、独自の強みを生み出します。年間45万個以上の帽子製造のうちの7割以上に搭載されています。
編める糸さえあれば、ベレー帽であれツバもの帽子であれ、なんでも作ることが可能です。
紀之川製帽で長年培われた”職人”による随一のノウハウとともに、
高度なニットマシン技術が集約されたSHIMA SEIKIによる最新の設備とテクノロジーで、
お客様のアイデアや帽子作りを全面サポートいたします。
硬くしっかりしたハットを作るためにサーモ糸を使うこともあれば、糸を3本に束ねてパリッとさせたり。紀之川製帽といえば”糸の魔術師”という程、そのノウハウやストックは無限に蓄積されています。
職人が数種の糸を組み合わせて作り上げる紀之川製帽のブレード。職人の頭の中ではつねに編みあがりを想定しながら、1本1本ていねいに組み紐機でブレードを作ります。
糸から丁寧に作られた1本のブレードは、ブレードミシン専門スタッフの熟練の手により、ハットの形に近づいていきます。この技術を覚えるだけでも1ヶ月以上が必要です。
3Dバーチャルサンプリングに対応した、横編み・織物・プリントに特化したソフトウェアを使い、帽子がデザインされていきます。これにより帽子作りの効率は格段に向上します。
ニッティングテクノロジーで最先端を突き進むSHIMA SEIKIのニットマシン。今では全自動編機のグローバルスタンダードとなっています。洗練された紀之川製帽の技術と最新の設備で、唯一無二の帽子を製造します。
最新のSHIMA SEIKI横編機は、ハイゲージからローゲージまで幅広く対応しています。これによってどんな帽子でも、どんな編み生地でも、美しく製造することが可能になります。
ニット・ブレード・布帛などのコンビネーション帽子を作ることが可能です。
例えば、ツバは布帛素材で、かぶり部分はニット素材など、他社では難しいとされる様々な素材の掛け合わせデザイン。
これこそが企画から製造まで全てを行う紀之川製帽だからこそできる強みです。
紀之川製帽の強みのひとつは、どんな帽子でも糸から作り出せること。糸から選定するため、季節に合わせるように、冬の糸(素材)を掛け合わせた暖かなブレードハットを作ることも可能です。ご依頼された企画段階で、いくらロットが小さくて作ることが大変でも、他社に出来ないこと=お客様の喜びにつながります。紀之川製帽の想いからブレないご依頼なら、様々なご要望にお答えいたします。
製品紹介既存のものを取り寄せるのではなく、自分たちでどうすれば更にいい帽子ができるか、
どうすればもっとかぶり心地のいい帽子ができるかを探求してきました。
企画し、試作を作り、製品にする過程の中で、紀之川製帽ならではの数々の製造工程は今でも日々進化しています。
私たちの帽子作りは糸を選定・調達することから始まります。
より高品質を目指すため、編機で仕上がった横編みニットは職人の手によって縫製されます。
水で湿らせて熱・圧力を加えます。
この工程で風合いや寸法が変わります。
その数100種以上の金型倉庫の中から、
その帽子のための金型が選ばれます。
金型にはめた帽子は100〜200℃の熱で焼かれ、
硬くしっかりとした帽子に仕上がります。
互いにもつれ、絡み合い、
緻密な構造になった帽子の毛を綺麗に刈ります。
ツバを組みあわせたり、スベリをつけたり。
熟練者はミシンに合わせて指が曲がるのが特徴。
ベレー帽を作り続けていた創業期から、金型でのニット帽製造が当たり前だった紀之川製帽。各職人たちがこれまで蓄積してきた数々の経験があるからこそ、依頼された帽子に似合う金型は瞬時に選定されます。帽子を作るために機械は必ず必要ですが、紀之川製帽の製造工程では機械では絶対にできないこともたくさんございます。それを支えるのが、型入れ職人、ミシン職人、飾り付け職人など、キャリア10年をゆうに超える職人たち。彼らはアタリマエに仕事をこなしますが、私たちにとっての貴重な財産です。
複数回の検針機チェックはもちろん、手作業での確認、目視確認など、検針では創業以来もう何十年ミスはないほど、管理を徹底しています。また、目が届かない中での仕事は不安が残るため、オフショア製造は考えたことがございません。働く社員に関しても、特に拒みはしませんが、あえて海外の方を採用する形はとっておりません。これからも紀之川製帽はmade in JAPANを守り続けていく所存です。